関東地方の花火大会

土浦全国花火競技大会とは?見どころと楽しみ方を解説

おーわ
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花火系散歩屋のおーわ(@mof_mof08)です。

日本各地では一年間を通じてどこかしらで花火が打ち上がりますが、その一つに土浦全国花火競技大会があります。

さて、そんな土浦全国花火競技大会はいつ開催され、どのような花火が打ち上がるのか気になる方も少なからずいらっしゃるかと思います。

本記事では主に土浦全国花火競技大会を初めてご覧になる方向けに、見どころと楽しみ方について解説いたします。

土浦全国花火競技大会について

土浦全国花火競技大会は茨城県土浦市で開催される花火競技大会で、概要は以下の通りです。

開催時期2024年11月2日 17:30〜20:00(※例年11月第一週土曜日開催)
場所桜川畔(学園大橋付近)
打ち上げ数約20,000発
最大号数10号玉(尺玉)
担当煙火店全国約70社
有料観覧席あり
無料観覧席なし
公式駐車場あり
三脚利用可能
Webサイト土浦全国花火競技大会公式サイト

土浦全国花火競技大会の歴史は大正時代にまで遡ります。

1925年(大正14年)に同市内にある神龍寺の住職が航空隊殉職者の慰霊、ならびに関東大震災後の不況で疲弊した土浦の経済を活性化するという趣旨で私財を投じ、霞ヶ浦湖畔で花火大会を開催しました。

この花火大会が不況にあえぐ商店街に好況をもたらしたことで、地元の商業者の協力を得られるようになります。

以来、今日に至るまで土浦をあげての行事として盛大に開催され続けています。

現在では長岡まつり大花火大会、全国花火競技大会とともに日本三大花火大会、全国花火競技大会、伊勢神宮奉納全国花火大会とともに日本三大花火競技大会の一つに数えられる、日本屈指の花火大会および花火競技大会としても広く知られています。

スターマイン日本一を決める花火競技大会

第二次世界大戦による中断を経て、第14回大会からは全国花火競技大会として復活を果たします。(第61回大会より現在の名称に変更)

当初は10号玉(尺玉)を中心とした競技が行われてきましたが、第28回大会(昭和34年)からは「速射連発の部」(現在の「スターマインの部」の前身)が新たに設置されます。

今でこそスターマインは全国各地の花火大会で多く見られますが、当時はまだ仕掛け花火の裏打ちといったいわば脇役的な存在に留まっていました。

そんなスターマイン黎明期にいち早く競技大会の一部門として独立させたこともあり、土浦全国花火競技大会はスターマインの日本一を決める花火競技大会としての地位を確立し現在に至ります。

内閣総理大臣賞が授与される日本屈指の競技大会

第69回大会(平成12年)からは内閣総理大臣賞が授与されるようになります。

内閣総理大臣賞は花火競技大会で総合優勝した煙火店に送られる賞で、いわば花火界における最高栄誉ともいえる賞となっています。

2020年現在、内閣総理大臣賞が授与される花火競技大会は本大会および全国花火競技大会(秋田県大仙市)の2大会のみとなっていて、日本国内における最も格式高い花火競技大会として現在に至ります。

土浦全国花火競技大会における内閣総理大臣賞は、スターマインの部を制した煙火店が受賞する傾向にあります。(妙に茨城県の煙火店さんが受賞している点については本記事ではあえて触れないでおきますw)

土浦全国花火競技大会の見どころ

土浦全国花火競技大会の見どころはざっくり以下の2つとなります。

  • 花火競技
  • 土浦花火づくし

「花火競技大会」という名にもあるようにメインはあくまでも花火競技ですが、競技の合間に打ち上げられる余興花火の一つ「土浦花火づくし」も大変に見応えがあります。

花火競技

土浦全国花火競技大会という名の通り全国の煙火店さんによる花火競技会ということで、花火競技がメインかつ見どころとなります。

花火競技は以下の3つで構成されています。

  • 10号玉の部:10号玉1発で構成
  • 創造花火の部:趣向を凝らした5号玉7発で構成
  • スターマインの部:各種既定に従った2.5~4号玉で構成
花火競技 10号玉の部(2017年)
花火競技 スターマインの部(2016年)

煙火店各社がこの日のために渾身を込めて作り上げた作品を堪能できるのが、土浦全国花火競技大会なによりの魅力です。

打ち上げ場所については10号玉と創造花火はイオンモール土浦付近、スターマインは学園大橋付近となります。(写真や動画を撮影される方はあらかじめ把握しておくことをおすすめします)

土浦花火づくし

土浦花火づくし(2016年)

土浦全国花火大会では花火競技の合間にいくつかの余興花火が打ち上げられますが、中でも特に注目なのが大会提供ワイドスターマイン「土浦花火づくし」です。

「花火づくし」の名にもあるように、花火競技大会で使用する筒場をフルに生かした全幅約600m、最大10号玉で構成される花火が数分間に渡って打ち上げられます。

視界を埋め尽くす超絶怒涛の花火は圧巻の一言に尽きます。

本プログラムは茨城県内に拠点を構える3つの煙火店(丸玉屋小勝煙火店、山﨑煙火製造所、野村花火工業)が3大会毎に持ち回りで担当しています。

土浦全国花火競技大会の打ち上げ場所

土浦全国花火競技大会における打ち上げ場所は大きく2箇所となります。

  • 10号玉・創造花火:イオンモール土浦駐車場
  • スターマイン:土浦市市民運動広場(一誠商事市民運動広場)

メイン会場から見て左手より10号玉と創造花火、右手よりスターマインが披露されると覚えていただくとよろしいかなと思います。

なお、ワイドスターマイン「土浦花火づくし」については上記すべてから披露されます。

土浦全国花火競技大会の観覧席概要と選び方

土浦全国花火競技大会のメイン会場内には2種類の有料観覧席が設けられます。

  • 桟敷席(全マス、半マス)
  • 椅子席(A席、B席、C席)
桟敷席外観[2023年撮影]
椅子席(A席周辺)外観[2023年撮影]

花火を間近に据えて楽しめるのに加え、競技に参加する花火師一同が集うシーンをご覧いただけるが最大の特徴となっています。

桟敷席は複数名利用を前提とした板敷の席で、全マス(最大4名)と半マス(最大2名)が用意されています。

椅子席のうちB席およびC席は花火競技のスターマインおよびワイドスターマイン「土浦花火づくし」が綺麗に見えないため、花火の見栄えを重視したい方はA席の利用がおすすめです。

大会公式の有料観覧席はすべて抽選販売となっているため、申し込んでも必ずしも利用できるとは限らない点には注意が必要です。

三脚を利用しての写真・動画の撮影は可能ですが、席の構造上あまり向いていません。

無料観覧できるスポットはあるの?

本大会のメイン会場内は有料観覧席となっていますが、実は大会公式にて無料でご覧いただける場所がいくつか案内されています。

Googleマップを使って調べた範疇の話にはなってしまいますが、学園大橋を渡った先のスポットであればそれなりに見えると思われます。

無料観覧可能な場所については公式サイト内の会場周辺マップにてご確認ください。

私設の有料観覧席を利用するのも手

メイン会場の北東側(田中三丁目)の田んぼ地帯には、地主の方が提供する私設の有料観覧席がいくつか設けられます。

私設桟敷席の様子[2023年撮影]

料金はおおよそ1,000円程度(2023年時点)と、大会公式と比べてかなり安価に設定されているのが特徴として挙げられます。

低い花火の一部が見えづらいですが、すべての花火をほぼ正面に携えて楽しめるので個人的におすすめです。

なお、私設の有料観覧席はあくまでも地主さんのご好意により設置されていることを念頭に置いた上で利用するよう心がけましょう。

また、田んぼがベースとなっている席がゆえ、開催直近に雨が降った場合は長靴を用意するなど泥濘対策が必須になる点にはご注意を。

コロナ禍における土浦全国花火競技大会

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響により、第89回および第90回大会については中止となりました。

その代替イベントとして、2020年9月〜11月に「悪疫退散!コロナに負けるな!頑張る土浦応援花火」が、2022年1〜2月に「土浦の花火~後世に伝える匠の技~」がそれぞれ行われました。

両イベントとも開催場所を告知しないサプライズ形式で行われ、それぞれ最終日には大規模な花火が披露されました。

悪疫退散!コロナに負けるな!頑張る土浦応援花火

第89回大会の実質的な代替として、2020年9〜11月にかけて悪疫退散!コロナに負けるな!頑張る土浦応援花火が開催されました。

特に11月に開催された3回目については「土浦全国Online花火競技大会」と題し、かなり大規模な花火が披露されました。

「土浦の花火」〜後世に伝える匠の技〜

第90回大会の実質的な代替として、2022年1月15日から2月12日の毎週土曜日に「土浦の花火」〜後世に伝える匠の技〜と題したイベントが開催されました。

本イベントは全5回の構成で開催され、第1章(1/15〜2/5)では各社のスターマインが、第2章では大曲の花火とコラボレーションした大規模な花火が披露されました。

まとめ

本記事では土浦全国花火競技大会の見どころや観覧席などについて紹介してまいりました。

日本三大花火大会の一つに数えられ、スターマイン日本一を決める花火競技大会として現在に至ります。

余興として繰り広げられるワイドスターマイン「土浦花火づくし」では茨城県内に拠点を構える煙火店さんによる豪華な演出も見どころです。

最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m

この記事を書いた人
おーわ
おーわ
花火鑑賞士(第20期)
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