東北地方の花火大会

三陸花火大会とは?見どころと楽しみ方を解説

おーわ
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花火系散歩屋のおーわ(@mof_mof08)です。

日本各地では一年を通じてたくさんの花火が打ち上がりますが、その一つに三陸花火大会があります。

そんな三陸花火大会を観覧したいと考えている方が、おそらく僕以外に3名ぐらいはいらっしゃるんじゃないかと思います。

本記事では三陸花火大会を主に初めて観覧される方向けに、大会の見どころと楽しみ方について解説いたします。

三陸花火大会とは

三陸花火大会は岩手県陸前高田市で開催される花火大会で、概要は以下の通りとなります。

開催時期2025年5月4日(※例年4月下旬〜5月上旬開催)
場所高田松原運動公園
打ち上げ数約15,000発
最大号数10号玉
担当煙火店アルプス煙火工業、糸井火工、ワキノアートファクトリー(※2024年実績)
有料観覧席あり
無料観覧席なし
公式駐車場あり(有料)
三脚利用可能
Webサイト三陸花火大会/三陸花火競技大会公式サイト

FIREWORKS株式会社が手掛ける花火大会で、三陸地域から元気と笑顔を届けることを目的に2020年より開催されています。

当初は三陸花火競技大会のプレ大会的な位置付けでしたが、2022年以降は春のGWシーズンを彩る花火大会として現在に至ります。

打ち上げ数は約15,000発、大きさは最大10号玉と岩手県ならびに東北地方の花火大会の中でも有数の規模となっています。

三陸花火大会の見どころ

三陸花火大会の見どころは迫力と芸術性を兼ね揃えたミュージックスターマイン+三陸地域ならではのコンテンツを楽しめる点にあります。

本大会はほぼすべてのプログラムがミュージックスターマインで構成されており、音楽と華麗にシンクロした花火が繰り広げられます。

マルゴーによるミュージックスターマイン[2020年撮影]
マルゴーによるミュージックスターマイン[2023年撮影]
アルプス煙火工業によるミュージックスターマイン[2024年撮影]
糸井火工によるミュージックスターマイン[2024年撮影]
ワキノアートファクトリーによるミュージックスターマイン[2024年撮影]

2023年まではマルゴーがメインでしたが、2024年以降はワキノアートファクトリーを筆頭に複数社の花火がご覧いただける体制となっています。

また、花火大会の開始前には三陸地方の文化を楽しめるイベントも行われます。

岩手県紫波郡紫波町の郷土芸能「佐比内金山太鼓」の様子[2021.10.9 三陸花火競技大会にて撮影]

豪華なミュージックスターマインに加え、三陸の伝統芸能など多彩なコンテンツを総合的に楽しめるのが魅力です。

三陸花火大会の観覧席概要と選び方

三陸花火大会のメイン会場内には多彩な観覧エリアが設けられます。

会場案内図(引用:三陸花火大会公式サイト)

各エリアにおける概要と個人的な評価(迫力と花火の見え方)をまとめた表がこちら。

「見え方」はワイドスターマインが綺麗に見えるかどうかを意味します。

エリア席種最大人数学割迫力見え方
パノラマシングルシート指定席1名
パノラマペアシート指定席2名
Drive in HANABI車両定員
車椅子エリア2名1
エキサイトBOX指定席4名
エリアA自由席1名対象
リラックスBOX指定席4名
パーティーBOX指定席4名
エリアB自由席1名対象
カメラエリア自由席1名
キャンプサイト
リラックスBOX外観
エリアA外観[2023年10月8日撮影]
エリアB外観[2023年10月8日撮影]

三脚を使用した写真・動画撮影はすべての観覧エリアで可能となっていて、このうちカメラエリアについては立った状態で撮影ができます。

花火筒の配置場所の関係上、西側のゲートに近い観覧エリアでご覧いただくとスターマインが綺麗な形でご覧いただけます。

早割や学割でチケットをお得に入手できる

本大会では花火大会としては珍しく、以下の割引制度が用意されています。

  • 早割
  • 学割

早割はいわゆる早期購入特典サービスで、特定の期日までに購入すると通常価格から15〜20%引きでチケットを入手できるシステムです。

学割は小学生〜大学生(専門学校生)を対象としたサービスで、エリアA自由席とエリアB自由席が一般価格よりも割安で購入可能となっています。

さらに学割対象のチケットは早割の対象になっていて、両方組み合わせるとかなり割安な価格で入手できるのが嬉しいところ。

早い段階で観覧が決まっている方や学生さんには非常にありがたいシステムです。

交通手段はチケット購入前に決める

観覧チケットを購入する前に、会場へのアクセス手段をあらかじめ決めるようにしましょう。

2024年12月現在、駐車券は観覧チケットとセットでの販売のみとなっています。

特に公共交通機関から車でのアクセスに切り替えようとした場合、追加で駐車券付きの観覧チケットを購入する必要が生じます。

「公共交通機関で行く予定だったけどやっぱり車に切り替えよう」みたいなノリで行くのは難しくなっているのでご注意を。

電子チケットを利用される場合は電波状況に要注意

電子チケットを利用して入場される方は、当日の電波状況にも注意する必要があります。

一般的に花火大会当日の会場周辺は多くの方が集中し、スマートフォンの通信がつながりにくくなる傾向があります。

特に人口希薄地帯はそもそもの基地局の数が少ないため、打ち上げ開始のかなり前から繋がりにくくなる可能性も…。

電波が混雑する前にあらかじめチケットページを表示させておくなど、入場前に準備を済ませておくと良いでしょう。

近隣住民以外が無料観覧をするのは困難

本大会は近隣住民の方以外が無料でご覧いただくのは困難です。

市街地およびその周辺には広場などいくつか開けた場所があり、会場外からでも花火をご覧いただくこと自体は可能です。

しかしながら当日は市街地にある公共駐車場はほぼすべて封鎖公式の有料駐車場についても観覧券がないと駐車ができないなど、車の乗り入れに大きな制約が生じます。

公共交通機関の利用者向けに仙台駅や盛岡駅から運行されるライナーバスについても同様、観覧券がないと乗車できないようになっています。

もっとも本大会のプログラムはミュージックスターマインがメインのため、会場内でご覧いただいた方が花火の魅力を存分に楽しめますので参考までに。

三陸花火大会へのアクセスと注意点

三陸花火大会へのアクセスは公共交通機関、車のどちらでも可能です。

陸前高田市は人口が18,000人程度と市の要件を割り込むレベルで少なく、交通網がかなり脆弱な地域となっています。

2011年に発生した東日本大震災の影響によりJR大船渡線がBRTに転換されたため、遠方からのアクセスに際してはほとんどの場合において道路を経由する形となります。

往復ともに交通渋滞を念頭に置いた上での移動を心がけるようにしましょう。

公共交通機関を利用される方

仙台駅、盛岡駅、一ノ関駅からライナーバスを利用してのアクセスが可能です。

各駅からメイン会場周辺までの所要時間は概ね以下の通りで、乗車にあたっては別途観覧チケットが必要になります。

  • 仙台駅:150〜180分
  • 盛岡駅:150〜180分
  • 一ノ関駅:90分

遠方から公共交通機関を利用して三陸花火大会へアクセスされる方は、ライナーバスの利用が宜しいかと思います。

なお、ライナーバスの詳細につきましては公式サイトおよびチケット販売サイトにてご確認ください。

大船渡線BRTでもアクセスは可能ですが、輸送力が僅少なためか大会公式では推奨されていません。(公式サイトにもBRTを利用したアクセス情報の掲載がないかつ、運行主体のJR東日本もライナーバスの利用を呼びかけるほどです)

車を利用される方

本大会への主流となる交通手段ですが、とにかく事前の準備と交通渋滞への備えが重要になります。

先述でも触れている通り、メイン会場周辺には大規模な交通規制が敷かれ、市街地各所の公共駐車場は封鎖もしくは関係者用として占有されます。

車でのアクセスを検討されている方は、駐車券とセットになった観覧チケットをあらかじめ購入するようにしましょう。

以前は観覧チケットと駐車券が独立していましたが、現在は駐車券と観覧チケットはセットでの販売となっています。(2024年12月時点)

続いて当日の段取りですが、おすすめの動き方は以下の通りとなります。

  • 往路:可能な限り早い段階で駐車場に入庫(おおむね15:00頃までに)
  • 復路:急ぎでなければ交通規制が解除してから出庫

一般的に花火大会における人流のラッシュは二段階あり、往路は開始直前(おおむね1〜2時間前)、復路は終了直後となります。

先述のように本大会が開催される陸前高田市は交通網が脆弱な地域となっているかつ、遠方からのアクセス手段が道路に依存しているため、往復とも交通渋滞に巻き込まれるリスクが高い傾向にあります。

また、公式駐車場がメイン会場から比較的近い場所に設けられている関係で、人流が市街地に集中しやすいのも特徴です。

これを見越して、本大会では駐車場およびメイン会場の開門時間を昼前から昼頃に設けるなど、早めに来場できる体制が取られています。

往路については交通渋滞が発生する前に入庫を済ませ、メイン会場内のイベントへの参加や市街地の散策で打ち上げ開始を待つと宜しいかなと思います。

一方で多くの人々が一斉に動き出す復路については、市街地の交通規制が解除されてから出庫すると市街地の渋滞を回避しやすい傾向にあります。

事前の準備とピーク時間帯を避けた移動を心がけると、移動時におけるストレスが比較的軽減できるかなと思います。(開催地の特性上、ある程度の覚悟は必要になってしまいますが…)

三陸花火大会の宿泊事情とおすすめエリア

遠方から訪れる方にとって気になる宿泊事情についてですが、宿泊場所の確保はなるべく早い段階で実施するのが吉です。

おすすめのエリアはざっくり以下の通り。(カッコ内は公共交通機関利用者向け、※はライナーバス利用者向け)

  • 釜石・大船渡・陸前高田エリア(陸前高田駅、大船渡駅)
  • 石巻・気仙沼エリア(気仙沼駅)
  • 奥州・平泉・一関エリア(一ノ関駅)
  • 仙台エリア(仙台駅)
  • 盛岡エリア(盛岡駅)

陸前高田市周辺はホテルや旅館の数がそれほど多くなく、特にライナーバス以外の公共交通機関でアクセスされる方は選択肢が限られます。

車でアクセスされる方は会場周辺にまとまった宿泊施設のある大船渡市内や気仙沼市内に加え、少し離れた釜石市内も候補になってきます。

開催時期がゴールデンウィークに重なるため、宿泊を予定されている方はなるべく早い段階で予約しておくのがおすすめです。

まとめ

本記事では三陸花火大会を観覧するにあたって押さえておきたい特徴などについて紹介してまいりました。

2020年に誕生した歴史の浅い花火大会ですが、迫力ある大玉花火と芸術性の高さを味わえるのが見どころとなっています。

会場内には多彩な有料観覧席が設けられ、花火との距離感や人数構成によって適宜選ぶと良いでしょう。

公共交通機関、車どちらでもアクセスは可能ですが、定住人口がそれほど多くない箇所で開催される大会がゆえに渋滞の発生などを見越した上で移動するようにしましょう。

最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m

脚注
  1. 対象者+介助者の2名で入場可能 ↩︎
この記事を書いた人
おーわ
おーわ
花火鑑賞士(第20期)
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